ガラパゴス化した日本のコンセッション方式

ガラパゴス化した日本のコンセッション方式

ここのところ、PFIは下火であるが、コンセッション方式という言葉がたびたび新聞に登場する。本日2014年6月26日の日経新聞朝刊(総合2)にも、コンセッション方式で空港を整備することが記事になった。
「三井不・三菱地所が検討」関空・痛みの運営権応札 という記事である。
このコンセッション方式が、いわずもがな他の国内の業界と同様に、ガラパゴス化しており、Global競争の世界から隔離されている。海外で一般的になりつつあるコンセッション方式に方向修正しなければ案件が活性化しない可能性がある。
私も、2000年にロンドンから帰国して依頼、昨年の5月までは、国内のPFI PPP、コンセッション事業に関与していたが、これ以上国内市場に関与することは辞めた。なぜなら、日本のPFI PPP、コンセッションの市場は、Global競争に必要なノウハウが活用できないガラパゴス化された特殊市場になっているからである。

今日から少し筒時間をみつけて、日本のコンセッション方式がどのように国際的な常識からずれた形で運用され様としているのかについて説明しよう。

一般的に日本経済新聞は、事実を報道するため、信憑性が高い。その日経新聞が上記の記事と合わせて説明している「コンセッション方式の解説」は次のようなものである。

▽国や地方自治体が空港や上下水道といった公共施設を所有したまま、運営する権利を民間事業者に与えるしくみ。運営権を得た企業は利用料金を設定・徴収し、収入を事業運営に充てる。経営効率化や新事業の創出で生み出した収益は出資者への配当に回すことができる。国や自治体の債務が膨らむなか、インフラの維持管理や更新に充てられる財源は限られており、注目を集めている。

確かにその通りである。事実を簡潔にうまくまとめている。

▽…海外で一般的な民営化の手法だが、国内では2011年のPFI(民間資金を活用した社会資本整備)法改正や昨年6月の民活空港運営法の成立で可能になった。空港分野だけでなく、大阪市や浜松市が上下水道、愛知県は有料道路での実施に意欲を示している。これまで国や自治体に限られていた公共施設の運営権が民間に開放されるため、新たな事業機会として企業の関心も高まっている。

ここまでくると、ちょっと待てとなる。海外で一般的な民営化手法であると、海外のコンセッション手法と日本のコンセッション手法の違いが存在しないような表現となっている。日経の記事には、海外情報が絡んでくると最近必ずしも事実を正確に伝えていない記事が増えつつある。その1つがPFI PPP、コンセッションの記事についてである。

▽…政府が6月に閣議決定した新しい成長戦略では、16年度末までの3年間を集中強化期間と位置付け、計2兆~3兆円のコンセッションを実施する目標を掲げた。重点分野は空港と上下水道、有料道路の計19件で、実施に向けた手続きが今後動き出しそうだ。

戦略があることは知っているが、集中強化期間と位置づけ目標を立てさえすれば案件が動き出すというものではない。ちょっと無理がある。

日本のコンセッション方式が海外と異なるのには理由がある。日本には、特殊な法律があるからである。ただし、日本にコンセッション法という法律がある訳ではない。該当する法は、俗にいうPFI法。民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律である。この法律は、内閣府民間資金等活用事業推進室(PFI推進室)のホームページからhttp://www8.cao.go.jp/pfi/houritu.html確認できる。

まず、この法律に目を通してもらいたい。

次回は、この法律に記載しているガラパゴス化された要因について説明しよう。

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