モノづくりから、パフォーマンス型サービスの提供へ。
——「公共投資のパラダイムシフト」と「民間の事業変革」で、日本経済の停滞を打ち破れ。
世界は、作って終わり、買って終わりという「モノを買って所有することに価値を見出していた時代」から、モノを持つこととモノの価値を利用できていることの違いを明確化したうえで「モノが持つ機能をサービスとして購入する時代」にかわっています。
しかしながら、現在の日本は政府の旧来型投資主導による経済立て直しが進められており、「モノづくり」の評価に焦点が当たりすぎています。その結果、本来競争原理の中で革新を生むべき民間企業は、変化のインセンティブを失った「ゆでガエル状態」に陥っています。
これはまさに、官民連携における官の役割と民の役割が正しく認識されていない「ボタンの掛け違い」が続いていることを意味します。
Office Kumagaeは、新たな時代における経済成長に必要な、次の世代へ確実に引き継がなければならない「制度」としての持続可能な事業スキームを構築するお手伝いをします。
問題提起:なぜ、日本の経済は停滞し続けるのか?
世界が「パフォーマンスに基づいたサービス」と「民間投資」による新しい経済成長の仕組みへとシフトしていく中、日本の経済はいまだに過去の成功体験である「モノづくり偏重」と「公共投資」から抜け出せずにいます。
この停滞の根本原因は、構造的な「ボタンの掛け違い」にあります。
欧米諸国の民間企業の構造改革を促進したBPRとそれを支援した行政による真の官民連携:
1980〜90年代、製造業で国際競争が激化していた時代、欧米企業は日本の卓越したモノづくりに対抗するため、BPR(Business Process Re-engineering)を導入しました。BPRの本質は、企業のビジネスプロセス全体を再設計し、コアコンピタンス以外の領域をアウトソースすることで、コア領域の付加価値を最大化することにありました。
アウトソースを導入した企業は、アウトソース先に対して 1)コスト削減 と 2)品質向上 を同時に達成することを求めました。そのためには、アウトソース先のサービスを標準化し、成果で評価する仕組みが不可欠となりました。
ちょうどこの時期、欧米各国ではPPP/PFIなどの公共インフラのサービス調達が導入され、行政が先行してパフォーマンスに基づくサービス提供(Performance-Based Service Business) を標準化しました。行政調達で確立された成果連動型の契約方式は、民間企業間のアウトソースにも応用され、サービスの質をKPIで管理する仕組みが急速に普及したのです。
この新しいサービスモデルは、従来のサービスが持つ 1)無形性、2)異質性、3)同時性、4)消滅性 という「不安定な特性」を、標準化と成果指標によって管理可能なビジネスへと転換しました。その結果、欧米では民間同士の取引においてもサービス調達ビジネスが促進され、高付加価値サービスが継続的に創出され、GDP成長の新たな源泉となったのです。
PPP(官民パートナシップ)と呼ばれるのは、官と民がBPRというビジネスプロセスの見直しに当たり、それぞれの役割を分担することによって、より高次元の付加価値を生み出す仕組みを構築できたからなのです。
日本の民間企業の構造的課題(民間の罠): 既存ビジネスへの固執によるBPR導入の失敗
一方、日本企業はモノづくりの改善に集中し、付加価値向上を「内製化の深化」によって達成しようとしました。トヨタのように内製化で競争力を高められた企業は例外的に成功しましたたが、多くの企業はコアコンピタンス以外の領域を外製化しなかったため、パフォーマンスに基づくサービスビジネスが国内で発展しませんでした。
日本政府の構造的課題(公共の罠):公共インフラ投資における「作って終わり」の限界
さらに、日本の行政はBPRによるサービス調達の本質を「成果連動型サービス」として理解せず、PFIを割賦払い(Deferred Payment)を可能にする制度として捉えてしまいました。その結果、本来ならば民間投資による施設整備と成果連動型サービスを組み合わせるべきPFIが、単なる「建設の後払いスキーム」として運用され、サービスパフォーマンスの標準化が制度として確立されないまま現在に至っているのです。
BPR(ビジネスプロセスイノベーション)を起点とした経済成長の仕組みとのさらなる統合が期待される中で、公共セクターが自ら巨額の投資を進め、インフラや公共サービスが「作って終わり」のまま、長期的な経済成長の基盤を構築する視点が欠けている現実を認識する必要があります。
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Office Kumagaeは、この停滞の構造を直視し、公共と民間の両輪から根本的な解決策(ノウハウ)を実装するためのアドバイザリーを提供します。
解決のフレームワーク:公共と民間の両輪による循環
Office Kumagaeの支援目的は、単発の資金調達や初期コストの削減ではありません。発注者と受託者がゲーム理論に基づく最適な契約を結び、サービスが長期にわたって質を担保し、次の世代へ引き継がれる「制度」としての事業スキームの構築です。
現状、政府は持続的な成長サイクルを構築するために、公共投資による大規模な投資スキームの導入を進めています。しかし、その際に「作って終わり」という従来型のモノづくりの強みに依存しすぎており、プロセスの再設計を通じて新たなビジネスを創造するという視点が欠落しています。
日本のモノづくりは世界的に高い評価を受けています。だからこそ、本来であればその強みは、長期的なサービス品質を保証する能力としてサービス経済に転換できるはずです。しかし現状の公共投資は、世界で成長を続けるサービス産業の発展につながらず、日本経済の相対的な伸び悩みを招く一因となっています。行政が従来の発想に基づく公共投資を続ければ、民間企業も既存のビジネスモデルから脱却できず、「売って終わり」の構造から抜け出せないまま、解決策が見いだせない状況が続く可能性があります。
変化の起点となるのは、公共セクターのパラダイムシフトです。既存の日本型PFI(割賦支払いによる施設整備)を抜本的に見直し、成果重視型のパフォーマンスに基づくサービス調達(PBSP:Performance Based Service Procurement)へ転換することで、民間事業者がバンカブル(資金調達可能)な事業形成を行える市場を創出し、公共事業への民間投資を促進することが不可欠です。
公共が適切な事業機会とリスク配分を提示すれば、民間企業はモノづくりの強みを生かしながら、「長期的なサービス品質の向上」と「適正な収益確保」を両立するモデルへと変革できます。つまり、モノづくりの強さを“サービス品質の強さ”へと拡張することができるのです。
公共セクターがBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)による成長モデルを示すことで、民間企業にもパラダイムシフトが起こり、成果志向型のビジネスモデルへの転換が引き出されます。こうした「モノづくり × サービス」の統合によって初めて、日本経済の持続的成長が実現されるのです。

Officie Kumagaeは、「官側の考え方の見直し」と、「民側の成果志向サービス調達構築」の双方の支援を行います。
業務方針
官民連携(PPP / PFI)やサービス調達は、単なる官民で協力する事業スキームではありません。
公共サービスを民間のGoing Concern(会社が将来にわたって事業継続していくとの前提)に基づいた長期にわたって安定的に提供するサービスに転換するための「制度構築」です。
政府が引き受けるべきリスクと、民間に委ねることが合理的なリスクを明確に区分し、サービスの質を長期的に維持・向上させる制度設計を支援します。事業を成立させること自体を目的とするのではなく、次の契約期間へと引き継がれていく仕組みを構築することが、私たちの目的です。
Office Kumagaeは、本来日本の企業が得意とするパフォーマンスの継続を、過度なリスクをとることなしにシステム化することによって、これまでのビジネスモデルでは構築できなかった発注者と受託者がそれぞれ最適な契約形態がとれるように、ゲーム理論に基づいて最適解を構築することを支援します。
代表プロフィール

熊谷 弘志(Hiroshi Kumagae) Office Kumagae 代表 / PPP・インフラ事業構築専門家
1984年の清水建設入社以来、約40年にわたり国内外のインフラ開発および官民連携(PPP/PFI)の最前線で活動。PwC、KPMG、アビームコンサルティング等のグローバルファームにて公共セクター向けディレクターを歴任後、2013年にOffice Kumagaeを設立。クラウンエイジェンツ・ジャパンにて、事業運営権対応型無償資金のスキームを活用したPPP事業を海外で展開。直近ではJICA専門家としてインドネシア公共事業省インフラ財務総局(DGIF)に赴任し、LVC(Land Value Capture:土地価値還元)統合型モデルや統合型MRG(Minimum Revenue Guarantee)パッケージ等を用いた、実現性の高いインフラファイナンススキームの構築を主導した。 APMG認定PPPプロフェッショナル(CP3P:Certified PPP Professional)Foundation有資格者であり、公式ガイド日本語版のチーフ翻訳者も務める。国内外のPPP事業の発展と人材育成に長年貢献している。
主な実績・専門領域
- インフラファイナンス・PPPアドバイザリー: 大規模有料道路、水道、廃棄物発電等におけるバンカブルな事業スキーム構築およびリスク配分設計、KPIの構築とその指標の支払いメカニズムへの組み込み。
- 公共経営改革(BPR): 中央・地方自治体における指定管理者制度導入支援、図書館・庁舎整備等の基本計画策定およびアウトソーシング戦略の立案。
- 制度設計・人材育成: CP3P認定研修プログラムの企画・実行、各国政府へのPPP法的枠組み提案。
略歴
- 青山学院大学 経営学部卒 / ESADEビジネススクール 国際経営修士(MIM)取得
- 清水建設株式会社(海外事業本部、海外拠点CFO等を歴任)
- PwC、KPMG、アビームコンサルティングにて公共セクター ディレクターを歴任
- クラウンエイジェンツ・ジャパン株式会社 上級顧問
- JICA専門家(インドネシア公共事業省 PPPアドバイザリー)
資格・著書等
- APMG認定 CP3P Foundation 取得
- 著書:単著
- 脱「日本版PFI」のススメ令和編 急がれるサービス調達型への転換(日刊建設工業新聞社)ISBN- 978-4809686733
- 脱「日本版PFI」のススメ: リスク移転で解き明かすPFIの真の姿(日刊建設工業新聞社)ISBN- 978-4782407059
- 著書:共著
- 公的組織の経営改善ハンドブック(中央経済社)ISBN- 978-4502397400
- 指定管理者制度-文化的公共性を支えるのは誰か(時事通信社)ISBN- 978-4788706613
- 寄稿多数