「事業を成立させること」自体を目的とするのではなく、次の契約期間、次の世代へと公共サービスが確実に引き継がれていく仕組みを構築することが重要です。 当事務所は、個別事業の資金調達スキームにとどまらず、持続可能なPPPを制度として成立させるための基本原則に基づき、実務的な制度設計を支援します。
持続可能なPPP/PFIを構築する4つの基本原則
PPP/PFIの本質は、単なる資金調達の手段ではありません。以下の4つの原則を契約と制度に組み込むことで、初めて公共サービスの長期的な安定提供が可能となります。
1. 「モノの購入」から「サービスの購入」への転換(確定債務の減少)
インフラ施設という「モノ」を整備・購入する従来型の公共事業から、施設が発揮する「機能(サービス)」を購入する契約へと転換します。これにより、行政側は将来にわたる維持管理・更新費用の増大という不確実な確定債務(財政負担)をコントロールし、トータルコストの縮減と平準化を図ることができます。
2. 指標によるサービス水準の「見える化」
サービスの購入を成立させる前提として、「行政が民間に何を求めているのか」を客観的な数値や条件で定義する必要があります。国際標準の知見も踏まえ、要求水準やKPI(重要業績評価指標)を精緻に設定することで、長期にわたる事業期間中のサービス品質を透明性をもって可視化(見える化)します。
3. パフォーマンスに応じた支払いメカニズムの構築
事前に設定した指標(見える化された基準)に対して、実際の成果(パフォーマンス)が満たされているかを継続的にモニタリングし、その達成度に応じて対価を支払うメカニズムを設計します。サービス水準が未達の場合には支払いを減額する仕組みを契約に組み込むことで、民間事業者に質の高いサービスを維持する強いインセンティブを与えます。
4. 取るべき者が取る「最適なリスク配分」
すべてのリスクを民間に押し付けるのではなく、「そのリスクを最も適切に管理・軽減できる主体が負担する」という原則の下でリスク配分を設計します。 例えば、不可抗力による需要変動リスクに対しては政府が「MRG(最低実施収入保証)」を提供する、あるいは周辺開発の利益を事業に還流させる「LVC統合型パートナーシップ」モデルを採用するなど、適切なツールを用いて官民の役割分担を明確にし、事業の持続可能性を担保します。