成果志向型サービス調達構築支援(PBSP)

「物品調達(モノ売り)」から「サービス調達(パフォーマンス売り)」へのビジネスモデル転換。

単なる価格競争からの脱却と、精緻なリスク管理に基づいた次世代の調達構造を設計します。

なぜ今、民間取引(B2B)において「物品調達」がリスクになるのか

近年、製造現場やIT・インフラ領域では、初期導入コストの低さを武器とした海外製機器・ロボットの導入が急増しています。しかし、「購入時の初期価格と見かけの性能」だけを基準とする従来の物品調達モデルは、ユーザー企業だけでなく、供給側の日本企業にとっても深刻な損失を生む構造的リスクを孕んでいます。

① ユーザー企業側のリスク:経済的・操業的リスク(負の遺産化)

割賦払い等で海外製機器・ロボットを安価に導入したものの、想定耐用年数持つはずのものが、保証期間終了直後に故障するケースが多発しています。 修理費用は高額化し、現場では機器が稼働していないにもかかわらず、ユーザー企業には残債の支払い義務だけが継続するという致命的な事態が生じかねません。

② ユーザー企業側のリスク:技術・高度現場データの流出リスク

製造ラインの中核や基幹業務を担う機器を通じて、現場が長年培ってきた緻密な稼働データやノウハウが、結果的に供給側(海外メーカー等)に吸収・蓄積されてしまう安全保障上の懸念があります。

③ 供給側(日本企業)が失っている世界的ビジネスチャンス

日本企業は本来、

 1) 保守・運用サービス
 2) 最適化・改善サービス
 3) データ解析サービス
 4) 長期成果連動型契約 などの高付加価値サービスを提供できる能力を持っています。

しかし、従来の「物品販売中心」の収益モデルに縛られているため、 世界市場で成果志向型サービスの競争に参加できず、 価格競争に巻き込まれ、付加価値を収益化できない構造に陥っています。結果として、 日本企業は世界的なサービス収益機会を失い続けているという重大な損失が生じています。

④ 国内市場でも失われている“サービス調達型ビジネス”の機会

国内でも、機器販売中心のモデルが固定化されているため、 日本企業は本来獲得できるはずの 

 1) 継続的サービス収益
 2) データ活用による新規価値創出
 3) 成果連動型の高収益モデル を十分に展開できていません。

PBSPは本来、 日本企業がサービスで稼ぐための制度的インフラであるにもかかわらず、 その価値が十分に活かされていないのが現状です。

解決策としての「PBSP(Performance-Based Service Procurement)」

この現状を打破する鍵が、諸外国で広く浸透している「パフォーマンスベースのサービス調達(PBSP)」です。 PBSPとは、単なる「モノの買い切り(または割賦購入)」ではなく、実際の稼働実績や成果物(パフォーマンス)に対して対価を支払う契約形態です。

比較項目従来の「物品調達」(モノ売り)パフォーマンスベースのサービス調達(PBSP)
評価・支払基準購入時の初期価格・カタログスペック実際の稼働実績・成果物(パフォーマンス
リスクの所在購入後の故障・陳腐化リスクはユーザーが全負担稼働・維持管理リスクは供給側が負担
調達側のメリット初期費用が抑えられるように見える(割賦等)「稼働していない期間」の無駄な支払いを完全に排除
供給側の強み安価な競合との価格競争に巻き込まれる「長寿命」「安定稼働」という真の価値が価格に直結
データ管理機器を通じたデータ流出リスクの把握が困難契約上のガバナンスとモニタリングによりデータを保護

当事務所が提供する支援メニュー

長年にわたり、厳格な透明性と数十年単位の持続可能性が求められる公共インフラ(PPP/PFI)の第一線で「リスク分担」と「支払いメカニズム」を設計してきた専門知識をベースに、民民間(B2B)におけるPBSP契約の導入をトータルで支援します。

・PBSP型ビジネスモデル・契約フレームワークの策定 ・KPI(重要業績評価指標)およびSLA(サービスレベル合意)の数理設計 ・調達ガバナンスとデータセキュリティ管理の制度化