英国のPFIの仕組みを日本に導入する意味はあるのでしょうか?

FAQ

英国のPFIの仕組みを日本に導入する意味はあるのでしょうか?

質問

英国でPFIを導入した理由は、公共調達の工事が期限内に完成せず、コストが予算をオーバーすることが頻繁に起きていたので、契約によって工事を工期内に終わらせ、価格を変動させない為にPFI手法が導入されたと聞きます。日本では、入札価格がきまると基本的には価格の変更はありませんし、工事も工期内に終わるものが大半です。英国式のPFIの仕組みを日本に導入する意味はあるのでしょうか?

回答

十分に意味はあります。それは、英国では、価格と工期の問題を解決する為に導入したのですが、その手段として活用したアウトプット仕様書とモニタリング結果を支払いメカニズムと連動させて、サービスの品質が劣化しないような仕組みを構築したこと。そして、施設の更新に従来必要であった公共投資を民間投資に切り替えることが出来たというメリットがあるからです。

公的債務が日本国のGDPの200%を超えている現状においては、既に英国型のPFIを使わざるを得ない状況になっているのに、なぜ、割賦払いが促進されているのか理解に苦しむところです。

せっかく財政改善に活用できる仕組みであるのに、現在の割賦払い型の日本版PFIの仕組みでは、PFI事業の投資は公共投資のままです。キャッシュフローを改善する為の暫定的な資金調達にしか民間資金を活用していませんので、PFIを導入するたびに債務はさらに膨らんでいきます。

PFI法という特殊な法律によって、公共事業の割賦払いに民間資金を使えるようにしている国は日本以外に聞いたことがありません。割賦払いは財政改善に反する仕組みですので、財政健全化法と背反しています。法律の整合性を考えると早急に改正が求められる法律であると考えられます。

重要なのは民間投資として民間資金を使うことです。負債を膨らませて、キャッシュフローを改善する為には民間資金を活用する価値はありません。

 

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